【木材の価格】

 昨年からウッドショックという言葉が世間で知れ渡り、世界的に木材の需要が供給を上回り価格が急騰しました。一部投機による現物の囲い込みも有ったかもしれません。その高くなった価格が住宅業界に於いて「許容出来ない」という感じになって参りました。しかし、皆さんにお伝えしたい事は、木材価格は平成5年頃から昨年まで右肩下がりになっていました。住宅に関連する色々な部材や商材などは、世間の市場相場なりに毎年値上げをしている中で、木材は値下げ基調の物でした。その他の部材、商材の価格の上昇を木材の値段を下げる事で帳尻を合わせていたのではないかと思う事もあります。

 そのような状況から、物の価値相応の価格になったのですが、ここに来て他の部材や商材の価格が上昇して来ると以前と同じように木材が値下げで負担するという構図が出て来ました。木を植えて人が育てて最低50年から60年という年数が経たないと柱などの商品を作る丸太にはなりません。その事を考えて欲しいと思います。

 また、その50年から60年という期間、光合成という植物の特性で、空気中の二酸化炭素を幹に炭素として固体化してくれるのです。その固体化した炭素の塊を住宅に使う事で、炭素貯蔵の効果により気体の二酸化炭素を減らしてくれる効果も有るのです。

 「一本一本と世界を探しても同じ物が無い=定価を付けられない」という事で一番価格のシワ寄せを受けて来たものが、ウッドショックで見直される機会を得たのも束の間で、同じ様に扱われるようになる事を非常に危惧しております。日本の林業・製材業が無くなれば川の水も濁り、水道料金も高騰するでしょう。日本が育んで来た「木の文化」を大切にして頂きたいですし、木の価値をもっと理解し評価をして欲しいです。

 木材を扱う人が語ると、自分の為という意見も出て来ますが、50年、60年という長い時間が必要な物という事を念頭に置いて、皆さん、考えてみて下さい。