【これからの木材の動向と住宅着工数】

皆様、如何お過ごしでしょうか?

今年の3月から急激な輸入木材の入荷不足と住宅着工の増加に伴う、木材価格の高騰が3ヶ月過ぎました。世界的な木材需要の増大に伴う価格上昇という影響が出ているのですが、その輸入材からの代替え商品として国産材へとシフトする動きが起こり、全面髙という状況になりました。
全開のブログにも書きましたが、今までの木材価格の下落という市場経済で丸太の伐採から製材までの川上の業界の衰退で急激な増産は出来ない状況になっております。

これからの市場の動向と木材価格の推移での私個人の考えをお伝えしたく思います。

今の市場価格水準は、丸太価格から考えた時にちょっと高すぎる様な気がしております。特に杉材に関しては、異常な動きを示しているように思われます。先週には7月から10月に欧州から積み込む為の事前受付(オファー)の価格が出て来ました。そのオファー価格は値上がり前の価格の2.8倍という価格の提示という状況になりました。このような状況を見て、国内の製材所はその価格に近い金額を提示するような動きをし出している様にお見受けします。

今回の輸入材の高騰は、現地価格の高騰も有ると思いますが「為替(円安)」「コンテナ輸送価格高騰(5倍)」という製品とは関連しない部分による価格上昇の要因もかなりの部分で影響をしております。

今後、国内の製材所が色々な要因を含んだ輸入材の価格に同調する動きを続けるのか、国産材の需要拡大と安定数量販売という方向性を出して、誰と良い流れを作って行くのかの2択ではないかと思います。そのどちらを選択したかで、需要が安定、もしくは落ち込んだ時に会社の存続が出来るかどうかという面を大きく左右してしまう様な気がします。

今回の木材の異常な高騰がこのまま進む事で、日本国内の住宅着工の急激な減少という状況が起こるのではないだろうか。市場での異常な高値の商品に対して、消費する市場が付いて来る事が出来るだろうか?その面を探って行かないと業界として衰退するだけになってしまう。25年間価格低迷という業界で有ったが今回の輸入材の減少という国産材にとって絶好のチャンスを一時的にするのか継続する動きにするかは、私たち木材業界の動き方次第になるのではないだろうか。

当社は10年以上前から、無垢材を優先して販売するように取組、安定して木材の流れが出来る様に考え取り組んで来ました。しかし、この様な状況になった時に今までの取り組みもなかなか実らなかったという大きな反省をする事になりました。更新する事も大切になりますね。
当社が無垢材をプレカットするにも、柱材などはすべて「曲り」や「木の目」などを見て番付(柱を使う位置を決める事)をして加工をしている。このような一手間を掛けて加工し納品する品質を守る事で無垢材の信頼を得ていると思っております。
信用を得るために、担当する業界で何が大切かという事を見直す良い時期に差し掛かった様に思います。

市場に振り回される事も多く有りますが、大本を大切に仕事を進めて参ります。
皆様に於かれましても、素敵な時期になればと思います。